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母親の洋子は止めた。

「まだ身体が十分とはいえないのだから、身体を壊すわよ。やめておきなさい。」

森元総理も止めた。

「もし今回失敗すると、二度と総裁の目はないぞ。もし待っておけば、必ず総裁への待望論が起こる」

しかし、安倍は昭恵夫人に敢然と言った。

「今、日本は国家として溶けつつある。尖閣諸島問題にしても、北方領土問題にしても、政治家としてこのまま黙って見過ごしておく訳にはいかない。俺は出るよ。もし、今回失敗しても、俺はまた次の総裁選に出馬するよ。また、負ければ、また次に挑戦するよ。俺は、自分の名誉や身体のことなんてかまっていられない。国のために、俺は戦い続けるよ。」

昭恵夫人は、そんな安倍晋三を励ましたという。

(「安倍晋三の真実」大下英治著より)

不世出の政治家たる所以です。